アバンティ PHILOSOPHY 9 〜アバンティ哲学〜
明日のためにできること

オーガニックコットンの原綿は、綿花全体の栽培量の約0.1%にすぎません。しかも日本ではほとんど栽培されていないのが現状です。できることなら、綿花も日本で育ててみたい。その土地でできたものを、その土地で消費する「地産地消」を、オーガニックコットンでもいつか実践してみたいと思っています。人間の身体にとっても、環境にとっても、それは一番負荷が少ない、ものづくりの形だからです。そうした栽培の場が、子育てに悩むお母さんや、心の病と戦う人たちの、社会参加の場にできないか。そんなことを考えています。
この半世紀で、日本人の暮らしは豊かになり、同時に心の豊かさを失ったと言われてきました。豊かで便利になったことで得た幸せは大きいものです。けれど、それと引き換えにしたものが、どれほどのものなのか、実証されていません。そのことに、気づき始めたのがこの10年。オーガニックということが、注目されてきた年月と重なります。身体にいいもの、安心で安全なものに、関心がもたれるようになりました。裏返せば、安心や安全でないものが、あまりに増えてしまったということでしょう。何もなかった昔に、戻したいわけではありません。急激に何かを変えることもできません。けれどもオーガニックな製品は、新しい選択のひとつとして、確実に根をおろし始めました。一枚の布を手にしたその瞬間は何も変わらないかもしれないけれど、ゆっくりと確実に、明日という日は変わってゆくはずです。