


海の向こうで育った綿は、日本にやってきて、実にさまざまな糸に生まれ変わります。そしてさらに、北は山形県の米沢から、南は愛媛の今治まで、糸は全国各地に散らばっていきます。織物の産地といわれる土地の、腕のよい職人たちによって、いろんな表情の布に織られていくのです。米沢の織物は、江戸時代に武士の内職として始まりました。袴などをつくるための反物の生産を中心に、近代まで絹織物で栄え、戦時中はパラシュートの布をつくっていたこともあります。小幅で高密度の布地を得意としてきました。父親の代からここで織物工業を営んでいる職人から、こんな話を聞きました。「フランスに行ったとき、面白い生地のマフラーがあったので買ってみたら、この辺でつくられたものでした。」
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